タイ最大手の通信事業者AISが発行している「SIM2Fly」は、多数の国で使えるプリペイドSIMです。複数の国を周遊する場合、現地でSIMを購入する手間がなくすぐに通信を開始できてとても便利です。一度使い始めると、もう手放せないものになるでしょう。
2018年2月にアジア&オーストラリア版を入手して使い始め、以後、継続して再利用しているので、その体験をまとめてみました。
SIM2Flyの購入
日本からでもAmazonやYahoo!ショッピング等の通販で購入できるので、旅行前に準備することができるのもメリットです。
私はAmazonで2018年2月にアジア&オーストラリア版を購入しました。メール便になりますが送料無料で1450円でした。4Gまたは3Gのデータ通信が4GBまで8日間の期限で使えます。音声通話はできませんがSMSの受信は可能です。
※現在は円高傾向にあるためか、同一のものがAmazonで1257円でした。
※アジア&オーストラリア版の他に、欧米も含めたより多くの国で使えるグローバル版も販売されています。
SIM2Fly(アジア&オーストラリア版)の利用可能国
◆2018年2月時点では、以下の14カ国で利用可となっていました。
日本
韓国
台湾
香港
インド
オーストラリアカンボジア
シンガポール
ネパール
フィリピン
マカオ
マレーシア
ミャンマー
ラオス
◆2019年8月時点では、下記の6カ国が上記に追加されていて、計20カ国で使えるようです。
中国
インドネシア
カタール
スリランカ
ブルネイ
ベトナム
SIM2Flyの設定
1)データローミングをONにする。
2)APNを以下に設定する。(あらかじめ登録されている機種も多い)
「名前」 AIS
「APN」 internaet
「ユーザー名」 空欄
「パスワード」 空欄
「認証方式」 CHAP
SIM2Fly(アジア&オーストラリア版)の利用可能データ量、周波数帯域
4Gまたは3Gのデータ通信が4GBまで高速で利用可能です。4GBを超えると、通信速度が128kbpsに制限されます。
周波数帯域は次の通りです。
【4G】2,100MHz
【3G】900MHz、2,100MHz
※中国では下記の周波数に帯域に対応している必要があります。
TD-SCDMA、TF-HSDPA:1,900MHz、2,000MHz、2,300MHz
TD-LTE:1,900MHz(B39)、2,300MHz(B40)、2,600MHz(B38,B41)
SIM2Flyの使用感
2018年3月に台湾→マレーシア→シンガポールと周遊した際に使用しましたが、いずれも快適な通信速度でした。1Mbps~2Mbpsの通信速度が必要な動画配信も時々利用しますが、特に問題なく再生されました。
それまでは国ごとに空港でプリペイドSIMを購入していたので、SIMの購入やアクティベーションなどに結構な時間を要するので辟易していましたが、そんな無駄な時間を一切省いて、さっさと空港を後にできる爽快感は最高です。
一点だけ注意すべきことがあります。
通信事業者を自動選択にしている場合、ローミングできない通信業者に接続されて通信ができないことがありました。この場合にはスマホの設定を自動選択から手動選択に切り替えて、別の事業者を選択してみると改善されます。※ほとんどは自動選択で大丈夫です。
私の場合は、台湾で一時的に手動選択にしたことがあります。台湾大哥大に接続されるべきところ、自動選択で中華電信に接続されていたので、手動選択で修正しました。
以下は通信事業者の設定を行う画面の例です。ローミングの設定もここで可能です。
SIM2Flyの再利用
アジア&オーストラリア版では、4Gまたは3Gのデータ通信が4GBまで8日間利用できますが、それを使い切った場合はどうなるでしょうか?
大丈夫です。チャージ(トップアップ)して、データ通信パッケージを購入できます。
◆トップアップ
※SIM2Flyのウェブサイトによれば、最新のSIM2Flyの初期パッケージにはタイ国内のデータ通信500MB10日間が付帯されています。Amazon等ではまだ販売されていないようです。
トップアップにはいろいろな方法がありますが、日本などタイ以外で行うには、モバイルアプリの「my AIS」の利用を推奨します。LINE Payでトップアップできます。
詳細は、前回記事「タイAISのプリペイドSIMはコスパ良くとても便利!日本からチャージも可能」を参照ください。SIM2FlyもAISの一般的なSIMと同様に扱えます。
トップアップすればSIMの有効期限が延長されるので、継続的に使うことができます。
◆通信パッケージ購入
モバイルアプリの「my AIS」から購入する場合は、ホーム画面からPackage画面へ移動し、Roaming Packageの群からApply SIM2Fly On-Top Packageをタップするとパッケージの選択画面へ推移するので、そこで購入できるはずです。(未体験)
USSDコードで購入する場合はもっと簡単で、アジア&オーストラリア版4GB8日間で299バーツのパッケージを購入する場合は、*111*354# とダイヤルするだけでOKです。(体験済み)
日本で格安SIMを使用している場合、契約したデータ容量を使い切って追加のデータチャージを行うと、100MBで150円~300円くらいかかります。SIM2Flyは日本でも使えるので、このような場合にうまく利用するとお得ですね。
通信パッケージには、アジア&オーストラリア版のほか、グローバル版やタイ隣国版(カンボジア、マレーシア、ミャンマー、ラオスで有効)もあるので、旅に合った最適なものを購入することができます。
◆音声通話が利用可能に
トップアップすることで、なんと音声通話ができるようになります。
当初はプリペイドSIMとしてのチャージ残高ゼロなので、パッケージ規定のデータ通信とSMS受信(無料)しかできませんが、トップアップ(チャージ)することで音声通話とSMS送信もできるようになるわけです。
◆タイ国内での利用
SIM2Flyは購入時点でタイ国内では使用できませんが、トップアップすればタイ国内用の通信パッケージも購入できるので、タイ国内でも利用できるようになります。
※SIM2Flyのウェブサイトによれば、最新のSIM2Flyの初期パッケージにはタイ国内のデータ通信500MB10日間が付帯されています。
※2019年11月8日追記
Amazon等で販売されているSIM2Flyには、タイ国内のデータ通信について記載はありませんが、実際には適用されている可能性があるようです。
まとめ
SIM2Flyはデータ通信費のコスパも良いですが、1枚で多くの国をカバーできるので、なんといっても現地でSIMを調達する手間から逃れられるのは最大のメリットです。
空港で、通信事業者を選び、場合によっては列に並び、滞在に合ったSIMを選び、パスポートを提示して登録&アクティベーションする手間が一切不要になります!
アクティベーションを現地係員にやってもらうと、脂ぎった手でスマホ(の画面)を触られたり、なんと携帯の電源を切らずにSIMを入れ替えたりするので気が気でなかったりしますが、そんなストレスともおさらばです。
また、トップアップして再利用も可能なので、ずっと使い続けることができます。
まさにいたれりつくせりですね、、、使い始めたらもう手放せなくなりますよ。
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