電球や蛍光灯を交換したり、引掛けシーリングに照明器具を取り付け/取り外しなど工具を使わない作業は誰でもできますが、道具を使って電気配線を変更したり電気器具を取り付けたりする電気工事は、電気工事士の資格が無いと実施できません。

そこで、今さらながら電気工事士の資格を取ることにし、2023年に第二種電気工事士の試験を受験して
合格していました。

試験に合格して安心したこともあり、その後に続く免状申請を怠っていたのですが、この8月にようやく申請して免状を受け取ることができました。

これで、自宅の電気工事をDIYで行うことができ、老朽化した機器の更新などを進めて行けるようになりました。


電気工事士の資格

電気工事士の資格には、第一種と第二種の2種類がありますが、自宅の電気工事であれば第二種で十分です。

試験は年2回実施されていて、上期試験と下期試験があり、それぞれに学科試験と技能試験があります。技能試験は、学科試験の合格者しか受検できません。

技能試験に合格すると、都道府県知事に免状の交付を申請して、免状を手にすることになります。

第二種電気工事士免状は更新の必要が無く有効期限はないので、一度取得してしまえば手間なしで保持できるのがいいですね。


学科試験

50問出題され、30問以上正答することで合格となります。

私は電気系のメーカーに勤務し趣味で電子工作をやっていたので、土地勘はある方ですが、電気工事士試験の傾向と対策を知る必要があるため、テキストを購入して試験に挑みました。

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テキストは試験勉強にしか使わないと思うので、メルカリで格安で購入しました。
※試験合格後はメルカリで売却したので、実質的な負担はほとんどありませんでした。
※同じような考えの人が多く、メルカリでは多数売買されています。


技能試験

学科試験に合格したあとは技能試験が待っています。与えられた材料で電気器具を電線で接続する問題が出され、40分以内に完成させる必要があります。

配線が終わらなかったり配線ミスが一箇所でもあると不合格となります。

問題は既出の13問の中から1つだけランダムに選定されて出題されるので、準備を怠らなければ合格できますが、40分という短めの時間内で完成させる必要があり特殊な環境下なのであせりも生じやすいため、工具の使い方等も含め十分な練習が必要です。

また電力線の配線ということで、芯線が1.6mmや2mm径の比較的太い電線を切ったり曲げたり圧着したりする作業が主なのですが、特に圧着に伴う作業は相当な力を要するので慣れが必須です。「力わざ」と言って良いかと。
やわな電子工作に慣れた身にはかなりきつく指先の関節を痛めたようです。今でも同様の作業すると指先が痛いです。(笑)

◆出題例
出題の一例です。(完成例)
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技能試験は大勢が入れる試験会場で個々に作業します。一般的な筆記試験と同じ程度のスペースで工作するので狭いし時間は短めということで、事前の模擬練習が重要です。

◆試験に使用する工具類
使用して良い工具類は決まっていて自分で用意します。例えば以下のようなものです。
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◆練習用の器具
事前練習では実際の器具を使って既出の13問を全て練習しておくのが良く、そのための機材が必要です。

これもメルカリで多くが売買されているので、以下のセットを中古で購入しました。また、電線は別途購入しましたが、こちらは中古では練習にならないので新品を近所のホームセンターで購入しました。
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◆基礎練習
電線の切断、曲げ、圧着、器具への接続などを練習しました。わたし的には、電線の被覆の剥ぎ取りと圧着が特に苦労しました。

被覆の剥ぎ取りにはワイヤーストリッパーを使うのですが、芯線に傷を付けないよう剥ぎ取るにはつい緩めに握って被覆の切り込みが十分ではない状態で進めることが多く、この際、指先に変な力がかかり痛めてしまったようです。

圧着はリングスリーブに複数の電線を差し込んで圧着器具で締め付けるのですが、リングスリーブに電線を差し込むだけでも結構な力が必要で、ここでも指先を痛めてしまいました。さらに圧着では、想定外に力を必要として当初はビックリ仰天でした。特に中スリーブの圧着は片手では無理で、両手で全力で握るくらいの力が、、、

◆既出13問を3ラウンド練習
既出の13問を1日1題、3回りほど練習したので、これで39日間を要しました。またミスがあった問題や不得意な問題は何度も繰り返し練習しました。

試験時間は40分と短いので、あせりもあって当初はオーバーすることやミスも多かったのですが、練習するうちに20分台でクリアできるようになったので、自信をもって試験に挑めました。

◆練習用器具の売却
技能試験に合格したので、練習用器具と余った部品をメルカリで売却しました。相変わらず多数が出品されていましたが、購入した時以上の価格で売れたのでラッキーでした。メルカリの手数料や送料があるので、利益が出たわけではないですが、、、
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まとめ

自宅の電気工事をDIYで行うのに役立つと考え、第二種電気事士の資格を取得しました。

2023年の下期試験に合格したあと放置していましたが、自宅で蛍光灯のLED化を進めるため、この8月に電気工事士の免状を申請して取得しました。

その後、実際にLED化の工事に着手し、この9月にほぼ完了したところです。

受験料9,300円、免状取得手数料5,300円とやや高めの費用がかかるので、当初、受験するかどうか迷いもありましたが、今にして思えばトライして良かったです。

電気工事を電気店に依頼すると費用が嵩むこともさることながら、思い立った時にDIYで自由に工事できることに大きなメリットを感じています。