コンパクト型蛍光灯を使う器具にLED電球を取り付けるためには、蛍光管のGX10q口金から一般的な電球のE26口金に変換するGX10q/E26変換アダプターが必要です。

その上で、蛍光灯をグローランプで点灯させる器具の場合はグローランプを取り外すだけで、LED電球が使えるようになるようです。

グローランプが見当たらない場合、電子スタート式の可能性もあるので器具を取り外して観察し、電子スターターが見つかればしめたものです。グローランプを外すと同様に、電子スターターを外すだけで安定器を取り外すなどの改修をせずにLED電球を使えるようになると思われます。


電子スターターの取り外し

蛍光管のソケットから電子スターターを取り外してしまえば、グローランプを取り外したのと同等になります。以下はその一例です。


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この器具の場合、ドライバーを隙間に差し込んで捻れば、電子スターターの基板が引き抜けました。外せない場合は、ハンダを溶かして外すしかないですね。


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蛍光管のソケットからピンごと抜け落ちたところです。これで、上の写真のようにソケットの下側の2本が解放状態になり、電気的にはグローランプを外した状態と全く同じになったと言えるでしょう。

グローランプを外すだけの場合と同様、安定器を取り外す工事をしなくとも、GX10q/E26変換アダプターを介してLED電球を取り付ければ点灯するはずです。


器具を引っ張り出して改造するなら、結局フルの改修と同等

しかし、良く考えてみると、器具を引っ張り出してここまでやるなら、ついでに安定器を取り外してみたくなりますね。安定器はLED電球に必要ないし、無駄に電力を消費したり劣化して悪影響を及ぼすリスクを考えると、取り外すべきですし、、、

グローランプを外すだけなら改造は必要なく簡単に使えるのに、電子スターターを外すには相当な手間が必要になり、結局フルに改修を行うのと同じ事になってしまいますね。


もっと簡単な方法は、、、

電子スタート式であっても、できるだけ簡単にLED電球を使う方法がないか考えてみました。要は、電子スターターを動作しないようにできれば良いわけなので、、、


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蛍光管のソケットを見ると、この器具では上側の2つが電源で、下側の2つがそれぞれ電子スターターに接続されています。


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一方、GX10q/E26変換アダプターは上のような形状で、GX10q側は4ピンとなっています。これらが蛍光管ソケットの4つの電極に接触することになります。

そこで、この4ピンのうち電子スターターに接続される2本のピンを切り落したら、電子スターターは電気的に孤立して全く機能しなくなるように思われます。


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一方、GX10q/E26変換アダプターのE26側を見ると、4ピンのうち上下がそれぞれ短絡されているので、(電子スターターにつながる)下側2本のピンを切り落してもE26口金には正常に電気が供給されLED電球が問題無く点灯するはずです。

◆180度ズレた方向にGX10q/E26変換アダプターを取り付けた場合
ただし、180度回転させてGX10q/E26変換アダプターを取り付けた場合は、電源がつながっている上側2箇所の電極に対応する2本のピンが切り落されているので電気が供給されず、LED電球は点灯しないことになります。また、この場合電子スターター側の2本のピンはE26の電極とつながることになりますが、電源がどこからも供給されていないので電子スタータは動作せず何も起こらないはずです。

LED電球が点灯しない場合は、GX10q/E26変換アダプター180度回転させて取り付ければ問題ないので、付け直せば良いわけです。

◆切り落す2本のピンの選択には一応の注意が必要
GX10q/E26変換アダプターの4本のピンで上側2本か下側2本を切り離せば良いのですが、GX10q/E26変換アダプターを十分観察して、動作する向きに嵌め込まれた際にE26の中央の電極がライブ側になるように注意して2本を選択すべきです。 ※感電のリスクを少なくするため

ただし、器具の内部が良く見えず、蛍光管ソケットの電極のどこがライブ側がわからないケースもあり得ますね。検電チェッカーなどで確認できれば良いですが、確認の手段が無ければ運任せで2本を選択して切り落すしかないかと。→LED電球を交換する場合などで、スイッチを切り忘れなければリスクは小さいかもですが、、、


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今回利用したGX10q/E26変換アダプターをよく観察し、E26口金の中央の電極に電源のライブ側が接続される方向を確認して電子スターターに接続される2本のピンを切り落したところです。上側右のピンが電源のライブ側、左が接地側(W)となります。


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GX10q/E26変換アダプターを蛍光管のソケットにあてがったところです↑
このあと、2mm~3mmくらい押し込んで時計回りに回して嵌め込むのですが、切り落した部分が左方の電極に接触することはなく、強く押し込んでも接触することはなさそうです。


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念には念を入れて、切り離したピンは絶縁物で覆ってあります。 ※グルーガン使用


電子スタート式であっても電気工事なしでLED電球が使える

GX10q/E26変換アダプターに細工をすることにより、電子スターターが内蔵された器具であっても、安定器を外して電源を直結するなどの電気工事を行わずにLED電球が使える可能性を確認しました。

実際に、電子スターターも安定器にも手を加えていない改造前の器具に、2本のピンを切り取ったGX10q/E26変換アダプターをセットして、LED電球が点灯できることを確認しました。

ただし、見えないリスクがあるかも知れないので、実際に運用することはなく、机上での実験段階です。今後様子を見て問題が無ければ、どうしても工事ができない場所で利用してみようかと。

◆改造不要のGX10q/E26変換アダプターもある?
今回調べたGX10q/E26変換アダプターは、上下2本のピンがそれぞれE26口金側で短絡されている構造でしたが、別途入手したGX10q/E26変換アダプターは4本のピンうち1本がどこにも接続されていない構造のようです。

良く考えると、この場合でもピンを2本切り取った時と同様に電子スターターを無効にできると思われます。電子スターターは2本のピンが接続されて初めて動作すると考えられるためです。

また180度回して取り付けられた場合は、電源の片方が接続されないため、電子スターターもLED電球も全く動作しないことは明らかです。
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これがこのGX10q/E26変換アダプターの仕様なのか偶発的な故障なのかは不明ですが、どこにも接続されていないと思われるピンは他の3本より少し短く先端が平べったいので、前者の可能性が高いと思われます。
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仕様が明示されていないので、電子スターターを取り外さないでこのGX10q/E26変換アダプターを使って良いのかわかりませんが、一応参考までに記載してみました。



まとめ

GX10q/E26変換アダプターの4本のピンのうち2本を切り落すことにより、電子スターターが内蔵された器具であっても、安定器を外して電源を直結するなどの改造を行わずにLED電球が使えることを確認しました。

ただし、見えないリスクがあるかも知れないので、実際に運用することはなく、机上での実験段階です。

今後様子を見て問題が無ければ、諸般の事情で器具の改造ができない場所で利用してみようと思います。



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