蛍光灯を使う照明器具において、蛍光灯をグローランプで点灯させる器具の場合はグローランプを取り外すだけで、LEDランプが使えるようになると言われています。

ただし、安定器で余分な電力を消費することや、安定器の劣化による絶縁不良などで漏電事故が起きるリスクがあることも取り沙汰されているので、実施して良いのか迷うところです。

経年劣化については実験しようがないのですが、LEDランプを使うにあたり、安定器を取り外さなかった場合と、取り外した場合の器具の消費電力を測定してみました。


安定器を取り外さない場合の構成

点灯方式がグローランプの場合は、以下のような構成になっています。
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グローランプを外すと、以下のようなイメージになり、蛍光管の計4つの電極のうち、2つに電気が供給されることになります。
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グローランプに係る配線は電気的に全く影響を及ぼさないと言えますね。

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ここでLEDランプを使うには、(蛍光管に)電気が供給されていた2つの線ををLEDランプに接続すれば良いわけです。この際、必要に応じLEDランプに合わせて口金の変換を行うことはもちろんです。

安定器を取り外さない場合は、まさにこの構成になります。LEDランプには本来必要のない安定器が接続されたままになっていますが、グローランプを取り外すだけで良く、器具の改造を行わずに済むことがメリットと謳われています。

ただし、安定器で余分な電力を消費することや、安定器の劣化による絶縁不良などで漏電事故が起きるリスクがあるということで推奨されているわけでもなく、業者によってはこの対応は行わないと明言されているケースも散見されます。


安定器を取り外した場合の構成

一方、LEDランプを使う際には、安定器を取り外して電源に直結することが推奨されています。
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改造は、安定器につながる配線を切断して、電源とLEDランプを直結するだけなので、極めて簡単です。不要になった安定器や配線は残しておいても電気的に影響はないですが、取り外してしまえば、とてもシンプルな構成になり、漏電等のリスクも極小になると思います。

※電気工事には電気工事士の資格が必要


消費電力の測定

安定器を取り外さなくてもLEDランプが使えるのであれば、その方式で使いたいのですが、安定器で無駄な電力を消費するなどのデメリットが取り沙汰されているので、安定器あり/なしの場合の消費電力を調べてみました。

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不要になったダウンライトを利用し、安定器あり/なしをスイッチで切り替えられるようにし、それぞれの消費電力を簡易ワットメーターで読み取りました。

利用した器具は、18Wのコンパクト蛍光灯(ツイン蛍光灯)を使用するものです。GX10q/E26口金変換アダプターを介し、5つのLED電球でチェックしました。

その結果、有意な差が確認できました。1年~数年使用した電球なので、劣化はあると思われますが興味深い結果となりました。
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過半数の電球で、安定器あり/なしの変化は比較的少ないのですが、一部の電球でかなり大きな変化がありました。

◆安定器がある方が消費電力が少ない傾向
安定器で無駄な電力を消費すると言われているので、安定器ありの方が消費電力が大きくなるかと思いきや、その逆でかえって少ない傾向がありました。また、消費電力が少ないこともあり、安定器がある場合は暗めになるケースがほとんどでした。省エネの観点では、安定器ありの方が好ましいという一面がありそうな、、、

また、安定器ありの方が消費電力が少ないので「無駄に電力を消費している」という表現は最適ではなく、「LEDランプ本来の明るさを発揮できない」と言うべきかと思いました。

上の表において、上から3つの電球は安定器ありの方が暗くはなりますが、我慢できるくらいの差かと思います。

ただし、最後の電球は安定器があると、13Wから5Wに大きく消費電力が低下し明るさも相当減少するので、実用的ではないと言えます。


◆安定器があると消費電力が大幅増になるケースあり
一つだけ例外があり、サンクン日本電器の60W型LED電球だけは、安定器があると大幅に消費電力が増加しました。仕様(定格)では7.5Wのところ、21Wと大幅に増加しています。何か異常が発生していそうな数値です。

明るさも大幅に増加し、この状態では危険な感じがするので、実際に使用するのは避けたい気がします。ただし、このLED電球は少なくとも数年以上前の商品で、安定器なしの使用であっても触れないほど熱くなるなど、古い設計のものかも知れません。昨今のLED電球では改善されているかもです。


◆いずれも安定器の温度上昇はなし
上記いずれの場合でも、安定器の温度上昇は特に感じられなく、金属のヒンヤリした感触が伝わってくるレベルです。サンクンの電球でも(3分くらいの通電で)同様でした。

安定器は18Wのコンパクト蛍光灯用に設計されたものですが、LED電球ではかなり少ない電流しか流れないと推測すると、温度上昇がない(少ない)のもうなずけます。

サンクンの電球では、安定器がLED電球の電源回路に何らかの影響を及ぼし多くの電流が流れているものと推測します。

◆安定器を取り外さない場合は注意が必要
いずれにしても、安定器を取り外さない場合、特定のLED電球で過大な消費電力になるならば、無防備に運用するのは避けるべきですね。

安定器ありのテスト器具であらかじめチェックし、異常がないことを確認したLED電球を使えば良いと思います。



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