蛍光灯を使う照明器具において、蛍光灯をグローランプで点灯させる器具の場合は、グローランプを取り外せばLEDランプが使えると言われています。
特に、直管型蛍光灯では、グローランプのソケットにダミースターターを取り付ければ、口金の変換なしに直管LEDを取り付けられ、改造や変換アダプターなしでLEDランプが使えることを謳った商品も販売されています。
少し前になりますが、このような直管LEDランプを購入して実際に使用してみました。
また、その後、電気工事士の資格を取得したので、LEDランプには必要のない安定器を取り外す改造を行いました。今回はその顛末について記載します。
工事無しで直管LEDランプを使う
工事無しで直管LEDがランプ使える商品では、グローランプを外して、商品に付属している専用のダミースターターを取り付けるよう指定されています。

※L:ライブ側 N:接地側
◆片側給電方式
使用した直管LEDランプは片側給電仕様です。片方の2本のピンに電源を接続します。もう片方の2本のピンは内部で電気的に短絡されています。電流ヒューズなのか単なる結線なのかは明示されていません。また、ダミースターターも電気的に短絡されているだけのようです。こちらも、電流ヒューズなのか単なる結線なのかは明示されていません。
※不測の事故を防ぐため電流ヒューズが入っていると推測します。また、ネットにはヒューズが入っているとの情報があります。
この構造であれば、直管LEDランプの給電部に正しく電気が供給されて、点灯することができますね。
◆直管LEDランプが左右反対にセットされた場合
また、もし直管LEDランプが以下のように左右反対に取り付けられたとしても、(片側)給電部には電気が供給されて点灯します。

安定器は接続されたままですが、単なるコイルなので若干の電力消費はあるものの、LEDランプの点灯には問題がないとされています。いずれにしても、グローランプを取り外すだけで良く器具の改造を行わずに済むのは大きなメリットです。
ただし、安定器で余分な電力を消費することや、安定器の劣化による絶縁不良などでまれに漏電事故が起きるリスクがあるということを示唆する記事もあり、やや気になるところです。
とは言え、実際にこの構成で直管LEDランプを数カ月使用しましたが、全く問題なく使えていました。
安定器を取り外す工事を実施
しかし、先月に電気工事士の資格を取得したこともあり、DIYで安定器を取り外すことにしました。

原理図に記載していない端子台とプルスイッチは残しましたが、元の配線に比べ極めて簡素になりました。
※端子台からの距離の理由で、原理図とは異なり右側のソケットに片側給電しています。
※グローランプのソケットは外すのが面倒なので残してありますが、どこにもつながっていません。
現在はこの状態で問題なく使えています。器具が古いので、(蛍光管)ソケットや、端子台、プルスイッチ、電線の劣化は一応気になりますが、配線が短く構成がシンプルなので、劣化による漏電等のリスクはなかり小さくなっていると思われます。
◆左右逆にセットすると問題が
配線が極小になったのは良いのですが、直管LEDランプを左右逆にセットすると、給電部には何も接続されていないので点灯しないことになります。しかも、給電部と反対側の直管LEDランプ内では電源が短絡されることになってしまいます。
電流ヒューズが入っていれば、ヒューズが即時に溶断するので事故にはつながらないかもですが、万一配電盤のブレーカーが落ちるなどしたら他の機器に影響を及ぼします。
万一、電流ヒューズが入っていなく単なる結線だったりすると、間違いなく配電盤のブレーカーが落ちるでしょう。おそらく電流ヒューズは入っていると推測しますが、商品パッケージのどこにも記載がないので、気になるところです。また、商品による差異があるかも知れませんし、、、
※直管LEDランプを左右入れ替えて再度セットすれば特に問題無く点灯するとは思います。
改造した器具に直管LEDランプの取り付け方向について注意を促すシールなどを貼っておくのは当然ですが、家人にも強く印象付けておく必要が出てしまいました。
こんなことなら、安定器だけバイパスして他の配線は全くいじらない方が良かったかとも思いましたが、現状のように配線を極小にするメリットがあるので、悩ましいところです。
※自宅にはまだ直管蛍光灯を使う器具が残っているので、次回どうするかは検討中です。
さらに言えば、両側給電仕様の直管LEDランプも一部で販売されているようなので、間違ってこのタイプのランプを使うと、また別の問題が出るかも知れません。
直管LEDランプの仕様がしっかり定まっていないのが問題かと思います。十分に注意して使って行くしかないですね、、、
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