ソニーのフルサイズ・ミラーレスデジタル一眼は、APS-C機と同じEマウントなので、APS-Cサイズのレンズも装着できます。

APS-Cサイズのレンズはコンパクトなので、旅行などへ持って行くにはとても重宝します。

ただし、フルサイズ機で使用すれば当然ながら制約が生じるので使用には注意が必要ですが、その性質を把握してうまく利用すればかなり広角の撮影が楽しめます


ソニーのフルサイズ機α7にAPS-Cサイズのズームレンズを装着

APS-Cサイズのズームレンズ「E PZ 16-50mm/F3.5-5.6」はとてもコンパクトなレンズです。ソニーのEマウントであれば装着できるので、α7にも装着できます。

沈胴式なので電源オフの場合はパンケーキレンズ並みの大きさになり、持ち運びには最高に便利です。
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電源をオンにすると繰り出してきて以下のようになります。焦点距離によって多少変動しますが、広角端の16mmでも反対側の50mmでも同じような繰り出し量でした。※最短になるのは27mm付近
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APS-C撮影モード

フルサイズのα7にはAPS-Cサイズのレンズを使用できるよう「APS-Cサイズ撮影」というモード設定があります。

これをオンにすれば見切れなく撮影できるのですが、画角が1.5倍になってしまいます。フルサイズとAPS-Cの撮像素子の比率(横幅36mm対23.6mm)の分だけ拡大されてしまうわけですね。

なので、16-50mmズームだと、24-75mmズーム相当になってしまいます。

望遠側はある意味便利ですが広角側が24mmになってしまうので、広い範囲を収めるには不十分になることが多いです。

「APS-Cサイズ撮影」オンで、ズームの広角単6mmでプールサイドから高層ビルの夜景を撮ると次のようなイメージになります。
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24mmの画角になってしまうので、高層ビルの全景を入れるとプールがほとんど入らず中途半端な構図になってしまいます。


「APS-Cサイズ撮影」オフに設定

あえて「APS-Cサイズ撮影」をオフにして撮ってみると、かなり広い範囲をカバーできプールも収めることができ、広角の16mmレンズの画角が楽しめます。

ただし、APS-Cレンズなのでフルサイズの撮像素子全体に光が行きわたらず見切れ(黒い部分)が生じてしまいます。

そこで、暗部ぎりぎりまでトリミングすれば、24mmの画角よりはかなり広い範囲を写真として楽しむことができそうです。また、Instagramに適した正方形や縦長に切り取る場合は、さらに有利なトリミングが可能です。
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正方形にトリミングしてみると、次のようになりました。プールも入ってほぼ期待の構図になりました。この手法は便利に使えそうです!
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フルサイズで16mmをカバーする広角レンズはかなり大型で高価になってしまうので、小型で安価のAPS-Cサイズのレンズがそこそこ利用できれば万々歳です。

夜景撮影では四隅が暗くなっても目立たないことも多く、さらに有利になりますね。

見切れを念頭に置いて撮影すれば、フルサイズ機でもAPS-Cサイズのレンズを十二分に使えると思います。

最後に、「APS-Cサイズ撮影」オフの画像とオンの画像の対比がわかる画像を挙げておきます。
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赤枠が「APS-Cサイズ撮影」オンの画角です。これを見ると、有効な部分をかなり捨てていることがわかります。もったいないですね。

今回、詳細を整理してみて初めてその効果のほどがわかりました。有効に利用して行きたいと思います。